東洋と西洋の奏法の違いとは?

【【東洋と西洋の奏法の違い】と言っても、「なんだか難しそう。」と思われる方もいらっしゃると思います。

ここでは、主観的な好き嫌い、個別な音色の違いとは関係なく、西洋人が弾くピアノと東洋人が弾くピアノでは、どこがどのように違うのかをご説明いたします。

 

まず第一に、東洋人のピアノに比べ、西洋人のピアノは立体的と言えます。そして出て来る音も明らかに違い、小さな音も美しく遠くまで響き、大きな力強い音も包み込まれるような響きを持っています。反対に東洋人は、平面的、響きが乏しいといえるでしょう。

 

私自身、ドイツへ留学する前までは、良くコンサートで弾いた時に母から、「客席の半分で響きが止まっている。」と言われました。一体どうすれば会場の隅々まで響くようになるのか、まだわかりませんでした。しかし、ドイツ留学前の室井摩耶子氏のレッスンと、ドイツでの教授のレッスンにより、西洋人と東洋人では、身体の使い方の違いが全然違うという事がわかり、以降自分の身体をどのようにしたら、西洋人の演奏に近づけるのだろうとずっと考えて来ました。

 

響きの体験としては、フランスへ講習へ行った折、巨匠ヴラド・ペルルミュテール氏やピエール・バルビゼ氏の演奏に触れた時に、同じ会場で私たち日本人が弾く演奏と全然違う、圧倒的な響きに包まれたことや、ピアノ演奏ではありませんが、西洋人のソプラノ歌手と東洋人のテノール歌手の声を聴いたときに、『明らかに伝わり方が違う』と思った瞬間を思い出します。

 

また身体の使い方の違いにより、拍子やリズム、フレージングまで不自然になってしまいます。身体の使い方を変えれば、自然の出て来る音楽まで変わってしまうのです。

 

では留学すれば、全ての人が理解しているのでしょうか? いえ、決してそうではありません。先生によっては、東洋人と西洋人演奏の差にについて気が付いていても、東洋人の癖、特性、キャラクターとして捉えられてしまって、手取り足取り分解して教えて下さる方は少ないからだと思います。ですから、まだまだ開発の余地はあるのです!

 

私は東洋人に生まれ、西洋音楽を演奏する上で、大きな壁にぶつかり、何とか乗り越えようとしてきたこの経験を生かし、世界的に引けを取らない日本人ピアニストを増やしていきたいと考えています。色々なヒントやアドヴァイスを惜しみなく提供していきたいと考えております。

 

細かな事は実際のレッスンを通して、その方にとっての近道を見つけていきたいと思っております。ご興味のある方は、是非体験レッスンに申し込んでみてくださいね。貴方にとって有益なレッスンとなると思いますよ。